獲って喰らう!真の旨いを体験する。
郡上藩江戸蔵屋敷 vol.9 レポート
■ダイジェスト■
今年度初の蔵開きのミッションは、「真の旨い!」を届けにいくこと。その素材は、ジビエ肉。高級フレンチなどで使われる事の多いジビエ肉ですが、今回その旨さを最大限に引き出してくれるのは、“猟師” の存在です。
「真の旨い!」を伝えるために一番響く方法は何か?そう考えた結果、このイベントの為だけに、郡上で活躍する猟師グループ「猪鹿庁」に山に入ってもらい、そこで捕獲した獲物を実際に調理して味わっていただくことでした。果たして予定通り捕まえることができ、皆様の胃袋に「真の旨い!」が届いたのでしょうか?!
そして、山に入り命をいただく猟師の日常を疑似体験してもらうことができたのでしょうか?
会の後半には、鹿の皮を使ったベビーシューズなど、野生鳥獣の命を一切棄てる事無く活用する活動をしている奥村さんにも登場してもらい、ジビエとまた違う側面から郡上の狩猟について知っていただく機会をつくりました。
<「猟師小屋」へのご案内>
本日の会場は、虎ノ門ヒルズカフェ。中庭の光がガラス越しに入って来て心地の良い空間です。このさわやかな空間を「猟師小屋」へと変えるべく、様々な仕掛けが持ち込まれました!
会場の外では1 時間も前から参加者の姿が見え始めるなど期待の高さが伺えます。
テーブルの上にはジャーキーとクラッカー、カウンターには郡上からのお土産として、『元文』の日本酒各種、『母袋工房』のどぶろく各種、そして『郡上の水』が入ったウォータークーラーを設置させていただきました!
さて、いよいよ開幕。
まずは、本日の上り人(講師)のご紹介です。『猪鹿庁』の興膳健太さんと安田大介さん、そして奥村文乃さんです。
奥村文乃さん(左)、安田大介さん(中)、興膳健太さん(右)
前者お二人の所属する『猪鹿庁』は狩猟グループとして、今では全国的に知られていますが、「森が豊かになれば美味しいイノシシも取れる」と信じて、里山保全の活動にも力を入れています。
2月に行われた全国のイノシシ肉の食べ比べ大会『日本猪祭り』を主催しているのは、実は『猪鹿庁』。第三回目にして今回、郡上のイノシシは見事日本一になりました!
奥村さんは、郡上市明宝地区にて、駆除された獣の皮や骨などをアクセサリーや雑貨として再利用する活動をされています。こちらについては、記事の後半で詳しくお伝えします!
ダイジェストでお伝えした通り、今回は参加者の皆様に最大限に「真の旨い!」を伝えるべく長いこと企画を練ってきました。
「真の旨い!」とは何のことなのか?そこでたどり着いたのが、“ジャパニーズジビエ”。つまり、またぎの世界で脈々と受け継がれた食べ方でした。猪や鹿との駆け引きの先にある、まさに、命をいただくということに関する“ありがたみ” や“責任” をも含んだ美味しさでもあります。
それを如何に伝えかを考えた時、スタッフの堀さんにはどうしても再現したいことが思い浮かんだと言います。
「雪山で猟をした後に、猟師のおじさんたちに猟師小屋に招いてもらって、獲ったばかりの肉を焼いて食べさせてもらったんです。それが、鹿肉を食べて本当に美味しいと思ったいうか、『こんなにうまいんや』って気づいた瞬間でした」
猟師小屋での忘れられない思い出を語る堀さん
その猟の様子を追った映像をお見せすることで、参加者の皆さんにも追体験をしてもらうという作戦も!
少し緊張感が走る場内
猟師小屋の様子がうつる
小学生のお子さまもいらしてくださいました
途中、「パン!パン!パン!」という銃声が聞こえたときには、会場にも緊張感が。「あ・・・!」と声が漏れるのも聞こえました。
映像が終わってすぐさま、
「皆さん、狩猟お疲れ様でした!ちゃんと、とってきましたので!」と、興膳さん。この声に、参加者からは拍手がわきあがりました。
それでは、お待ちかね、“ジャパニーズジビエ” の試食会のはじまりです。