獲って喰らう!真の旨いを体験する。

郡上藩江戸蔵屋敷 vol.9 レポート


<ジャパニーズジビエの試食会>

一皿目は、郡上産の猪肉の三種盛りです!1つは大和地区のメス、明宝地区のオス、おす、1つはメス。三種類の味比べをしていただきます。この時期のオスは、発情期に入っていることから「臭う」とのこと。さて、皆さん気づけるでしょうか?

「ちょっと待ってください!先にいただきますをしてから焼き始めたいと思います」

猟師さんたちが「いただきます」を一番感じるのはいつでしょうか?

「生きた状態の猪や鹿に、最後のナイフを入れる瞬間なんですね。そのときに、感謝の気持ちを込めて『お肉としていただくからね』との思いで安楽死をするということをします(興膳さん)

僕らは、あの瞬間、静粛に思いを持つところだと知っていただけたらと思います。皆さんには先ほど映像で見ていただきましたので、ここは“楽しく” いただきますと言ってください!

それでは、『いただきます』!」

それぞれの卓上でホットプレートを200 度に設定し、焼きはじめます。

それぞれの机で、お肉の予想が始まりました。自信を持ってオス肉を言い当てたのは、3人程度でした。お見事!

次に運ばれてきたのは、まさに動画にうつっていた鹿のお肉になります!部位としては、一番食べやすい背ロースとモモ肉です。

こちらは、調理実習さながら、協力しながら準備します!

「ぜひ、調理法を覚えて帰ってください!鹿だけでなく、牛でもローストビーフなども作れます」

塩胡椒、ニンニクと生姜で下味をつけます。

それができたら、ホットプレートにごま油をしき、表面にさっと焼き目をつけ、ジップロックへ。ジップロックには、どこのご家庭にもある調味料が入っています!

このあとは、シェフにお任せ。20 分ほど湯煎をして出来上がるのを、しばし待ちましょう!
 
さらにお皿が運ばれてきました! 3 皿目は、アヒージョ。今回捕獲した鹿の心臓、タンといった、通常市場に出回らない希少部位を調理してもらいました。

レバーのアヒージョ(シルバー)と心臓とタンのアヒージョ(陶器)

アヒージョの中には、郡上で採れたフキノトウも入っています

お店ではなかなか出会えない一品に、皆さん興奮気味!

「猪は脂が濃厚ですが、鹿肉は非常に脂が少ないです。ですので、鹿肉はこういった油で補う調理と相性がいいです」と、調理の合間にすかさず豆知識を入れる安田さん。

4 皿目は、鹿のスペアリブです。手づかみで豪快にかぶりつく参加者も!皆さん美味しそうに食べること・・・

まだまだ続きますよー!5皿目は、シシ汁です!

「こんなに癖のないシシ汁は食べたことない!」と、目を丸くしながら食べる方も少なくありません。今日のような風の冷たい日には、あったかいスープが身に染みますね。

そろそろ皆さんのお腹も満足してきたような雰囲気ですが、厨房には皆様に食べていただきたいお肉があと少し、待っています。

6皿目は、鹿肉を使ったフランクフルト(太)、鹿と猪のフランクフルト(細)です。

鹿と猪のフランクフルトは、未発売!全国に名を知られる郡上の企業『明宝ハム』の職人さんと、『明宝ジビエ』さんが協働で開発中のものになります。

「どっちがお好みですか?」「同じですね!」「いや、私はこっちが好きですね」などと、テーブルごとに話が弾んでいるのが聞こえました。テーブルを囲んで食事している皆さんが、それぞれ初めて会う人だというのは信じられないくらいの熱気ですよ。

そんな和やかな場に突如怪し気な品がテーブルに運ばれてきました!

郡上の山の恵み、「ヘボ」です。ヘボというのは、蜂の子のこと。今でこそ貴重になりましたが、郡上では小さい頃におじいさんに連れられて山に入り、蜂の子を狩りする風習がいまだに残っています。今回はその狩りの様子をおさめた映像も見ていただいた上で、召し上がっていただきました。

こちらは、なんでしょうか?

安田さんのポケットから出てきたのは、イノシシの胆嚢!熊の胆のイノシシバージョンです。猟師さんの間では整腸剤として重宝されており、深酒をするときなどは少し削って飲むと酔いにくいといわれています。

「今日、まだまだ飲むぞ!という方、手をあげていただければ、削りにいきますので遠慮なくお声がけください(安田さん)」

貴重な“シシの胆”を口に含み、「苦いっ・・・!!!」と呟く参加者のお一人。百聞は一見に如かず・・・ないい表情、ごちそう様です!

本日予定していた“ジャパニーズジビエ”も、いよいよラストです!しばしお待ちいただいた、ローストビーフが完成しました。

ポン酢、醤油、そして、ネギ、生姜、わさび、柚子胡椒の4種類の薬味が用意されました。「正直、どれもオススメです」と安田さん。お好きなものをどうぞ。

ローストビーフはお刺身の次に、鹿の柔らかさ、甘さが一番よくわかる食べ方!ということもあり、会場からは「やわらか〜い!!」と歓喜の声が漏れます。

これで本日の料理は全て召し上がっていただきました!あまり知られていない鹿料理もたくさん出てきました。満足していただけたでしょうか?

全てのプレートを出し終わった後は、冒頭で見た映像を解説付きで見直したり、猟師小屋で繰り広げられる数々の猟師話のシェアをしたり、猟師への質問する時間を取らせていただきました!このあたりは、参加者だけのお楽しみということで、レポートでは割愛いたします。