【郡上藩MONO蔵屋敷vol.3 -6】暮らしをつなぐ味噌煮 〜愛と知恵の郷土食〜

旬の郷土食お届け便をつくる

味噌煮は、その時にあるものを地味噌で煮る。そうなると味噌煮に入れる野菜は、その時とれたもの、まさに旬のものを入れることになる。

期間限定【冬の味噌煮セット】

今回の江戸蔵土産「冬の味噌煮セット」として詰め合わせた野菜三種は、「ネギ・大根・キノコ」。この旬の野菜はもとより、冬の味噌煮セットの具材を全て仕入れることで、発送元となって頂いているのが「郡上旬彩館やまとの朝市」なのだ。「旬彩館」は、郡上の農産物や花木などの植栽品、郡上産のものを使った加工品を販売するところで、年商1億6千万円を上げる郡上最大の農産物販売所となっている。

昭和57年に、郡上市大和町産に限った野菜の直売を毎週日曜に始めると、平成2年から設置した平日の無人販売でも順調に売り上げが伸びていく。当初は、農家の余剰物を販売するのが目的であったが、梨やぶどうといった特産物の販売により、規模は少しずつ拡大。

「大和町農産物直売組合」を設立した翌年の平成11年、やまと温泉施設の開業によってその前に移転。そして平成13年の道の駅オープンにともない、テナントに入ることになった。そこで初めて販売員を雇い、レジを整え、冷蔵庫を設置するなど、全て組合の合意で決めていった。そうして平成20年に年間の売り上げが1億円を越えた。

昨年、江戸蔵土産で企画した「お百姓さんセット」を送るために、旬彩館に足繁く通うことになったとき驚いたことがある。セットに入れるための大和町万場で育てられている特産の梨が、長雨のために出荷数が例年より少ないこともあって毎日物凄い人だかりとなっていた。朝8時半頃に農家さんのケートラから、梨が卸されたかと思うと、売り棚を取り囲んだ30人ほどのお客さんが一気に買い占めて空っぽにしてしまう。

期間限定【郡上のお百姓さんセット】

かたや郡上の夏野菜、そして出始めの秋野菜は常に充実していて、多くの農家の作付けが少しずつズレていることもあり、野菜も人出も絶えないことに驚かされた。見事な活気である。このコロナ禍にあっても、地元の購買層が中心にあるため、甚大な影響は出てないという。当時の組合代表を長くつとめた遠藤さんにここまで繁盛した理由を聞いた。

「朝とったばかりの地元の野菜を買えるっていうのが、他になかったでなあ。」

遠藤さんは御歳93歳で、六町歩の田畑で米や野菜を作り続けてきた農家である。農協に出荷するだけではなく直接販売所を開くことは、他の事例を真似たのではなく、農協に出せないものを置けることから自然の流れだったという。次第に大和町産に限っていた農産物を郡上全域に広げたことで、郡上のその日に採れたものが、当時道の駅内にあった店舗に集まることになった。売り上げが1億円の大台に乗ったことで、もめたりすることはなかったのだろうか。

「な〜んにもそんなことはなかったんなあ。(野菜販売の)手数料はぜんぶ設備投資にまわしたし、誰も懐に入れてないで。笑」

そうして平成20年に「郡上旬彩館やまとの朝市」として、道の駅の隣に独立店舗を新設するところにまで成長した。それが建つ前に、郡上の農家の長男としてUターンしていたのが大坪基起さんで、ちょうどその時に出ていた「旬彩館」の店長の募集の案内に応じる運びとなった。

農業や農家におけるヴィジョンを持っていた訳ではなかったという大坪さんだが、これまでの朝市に止まらない取り組みを始めている。一つは、他の道の駅で始まった野菜販売所へ、売り物の不足分を配達すること。もう一つは郡上市の学校給食への地元野菜の納品である。どちらも郡上市全体に地域の農産物を新鮮なまま循環させる、という目的がニーズとマッチしたものとなっている。

「うちで出来ることをやっていきたい。」

大坪さんの言葉はシンプルだが、郡上旬彩館の保冷車が走るのは郡上市民にとって頼もしいことばかりだ。今は、地元の学校と野菜を育てるという実習や、地野菜の種をつなぐことや特産物の栽培依頼など、農家とともに郡上の食の未来を見出す試みも忘れない。郡上藩MONO蔵屋敷vol.3で初めて仕立てられた「冬の味噌煮セット」を全国に発送することができるのも、この旬彩館に集まる旬の野菜たちによって成り立っている。

「ただ野菜を皆さんに送るだけではなく、どういうふうに食べてもらうか、というものを考えて届けたかった」

六ノ里のお米や、ぶりぶりのキノコやネギから出る出汁など、味噌煮だからこそ生まれる味の深み、コクとあいまって味噌煮セットの反響はモノ凄い。「冬の味噌煮セット」の注文は24日で締め切られるが、この「旬の郷土食お届け便」をまた次節、旬彩館×江戸蔵として企画できる日が楽しみでならない。

【郡上藩MONO蔵屋敷】

vol.3: 暮らしをつなぐ味噌煮 〜愛と知恵の郷土食〜(郡上藩江戸蔵屋敷)

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