郡上八幡フィールドワーク
郡上藩江戸蔵屋敷 vol.8 レポート
■ダイジェスト■
水路を滔々(とうとう)と流れる水の音が、どこにいても聞こえる水の町・郡上八幡。実は水路を辿っていくと町の歴史が見えてきて、その起源は江戸時代にまで遡るのです!今回は私たちが江戸に赴くのではなく、参加者に郡上八幡にきてもらうことで、町の魅力を大解剖していくという企画です。「水、街並み、暮らし」という視点からみえる、この町の本質的な魅力に迫りました。これまでも、これからも、二度と開催出来ないかもしれないディープなツアーの様子を、ぜひご覧ください。
ー 1日目 ー
< 旧庁舎食堂の究極の卵がけごはん >
初日は岐阜羽島駅までバスでお出迎えにいきました!車内では、早速講師の井上さんによる、ウェルカムトークが始まります。郡上の概要から白山信仰の導入まで、ノンストップで話し続け、旅のワクワク感を一気に掻き立ててくれました。
あっという間に郡上に到着し、一同は郡上八幡旧庁舎記念館内にある、旧庁舎食堂へ。最初に食していただくご飯は何が良いだろう?と、私たちが考えて辿り着いたのが、卵がけごはんでした。ここで提供されている卵は、郡上八幡から車で40 分北上した、六ノ里(ろくのり)集落からきているもので、平飼いされた奥美濃古地鶏の卵であります。なんと、地面に落としても黄身が潰れないという、鮮度も質も保証付き。郡上の水で育った瑞々しいお米と、郷土料理「鶏ちゃん」をセットに加えた特別定食をお召し上がりいただきました!
< 大解剖ツアー&清水を巡る水出しコーヒー体験 >
腹ごしらえをしたら、今回のツアーのメイン企画でもある「郡上八幡大解剖ツアー」の始まりです。「郡上八幡水の学校」の3名の講師陣のガイドのもと、水路や水場などをぐるりと巡り、「水、街並み、暮らし」という視点からみえるこの町の本質的な魅力に迫りました。
この大解剖ツアーを盛り上げてくれたもう一つのアイテムが、「水出しコーヒーキット」です。コーヒーを飲む時、豆は選んでも水を選んだことがない人も多いのではないのでしょうか?しかし、水が違えば、コーヒーの味も違うはず。そこでこのツアーでは、一番気に入った清水で水出しコーヒーを淹れてみることを提案してみました。井戸水を汲むのも、飲むのも初めてという参加者も少なからずおり、みなさん目から鱗がポロポロ落ちていました。
水場以外では、空き家の改修事例として、越前屋、kibako、タカラギャラリーなどを周遊しました。改修が進むことで、町にはどのような変化が起きているのだろうかか?現場に関わる人たちの生の声に耳を傾けました。
途中でいくつもの用水で立ち止まり、町の水利用についての理解を深めました。家々が持っている堰板をはめ込んで水位を上げたり、下げたりしながら生活を営む郡上八幡スタイルは、都市からきた人たちにとっては見たこともない目新しいものでした。
大解剖ツアー初日の最終目的地である大乗寺へ向かいます。迎えてくださったのは、大乗寺住職の高橋先生。郡上八幡のまちづくりや、住民による自治活動など、示唆深い話をたくさん聞かせていただきました。
この日、全国でナンバーワンの気温を記録した、郡上八幡。流石に皆さん日焼けをして、お疲れの様子・・・かと思いきや、夜が来るのが楽しみで仕方がない様子です。それもそのはず、この後は郡上おどりが控えているのです。大乗寺から帰ったらすかさず浴衣に着替え、「こぼこぼ」で夕ご飯をとり、踊り会場へ向かいました。
< お盆でないときにも踊る、郡上おどり >
踊りというのは盆に踊るもの。そう思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、郡上おどりは、盂蘭盆会といわれるお盆だけに踊るのではなく、各神社仏閣のご縁日にも踊られます。縁日といえば、たくさんの屋台が出てガヤガヤ飲み食いしているお祭りのイメージがありますが、郡上でいう縁日は、「ご縁を結ぶ日」。神様、仏様、ご先祖様、見えないものたちと、共に時間を過ごす日という意味合いを持ちます。
この日は「城山地蔵祭」。八幡城の城山中腹にある賽の河原石を祀って、大手町会場でしっぽり行われる路地踊りでしたが、今年は城下町プラザに場所を移して行われました。
「踊る前には、必ず大手町の祭壇にお参りをすませてから」講師陣からのそんな声がけで、参加者の方にディープな郡上の心が伝えられていました。
スタッフによる簡単な踊り講習も提供しました
こうして、長く熱い、そして暑い1日が過ぎ去りました。